多趣味の扉

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資格試験 保育士実技試験 本番

その日7月2日はやってきた

実技試験会場は

聖学院大学 どこだ

JR川越線日進駅から

徒歩15分 なに!?

住所は上尾市らしい

家からたっぷり2時間

8時45分集合なので

家を6時過ぎに出発

日進駅には、8時に着いた

そこからわかりにくい

住宅地を抜けてやっと

大学到着

キリスト系なのか

まだ、あまり人がいなかった

が徐々に集まり出す。

ランニングに半ズボン

あきらかに受験をする

格好ではない男がいた。

また、ひげ面でバイオリンを

抱えたいかにも音楽家のような

風体の人もいる

集合の人たちが呼ばれ

説明のための教室に

分かれて入る。

教室は5人掛けで一杯の

人で溢れている。

受験要項が配られる

そこには、自分の受験番号と

各科目の開始時間があった

音楽は10:09 6教室に

分かれていて、同じ時間は

5名のようだ。

言語は、11:10 こちらは

11教室ある。

これなら、昼前に帰れそう

造形の試験は9:30より

6教室で行われるようだ。

こうしてみると音楽が

一番人数が少なく。

造形が多いらしい。

9時40分頃に控えの

教室に入る。

同時に行う人は5名

10時になった。

受験教室の前の椅子に

すわる。

私は4番目である。

最初の人が始まった。

上手である。伴奏も

バッチリ、歌も声がでている

2番目の人は、少し音程を

間違っていたが無難に

終わった。

3番目の人は上手で

並んでいるときには緊張して

したのがうそのよう。

みんなうまいしかもアレンジが

複雑である。

いよいよ、私の番である

呼ばれて教室に入る。

受験番号のシールをそれぞれの

試験管に渡して挨拶をする

荷物を置くと、いつでもどうぞ

の声がかかる。

最初は、『幸せなら手をたたこう

伴奏の最初のところで、右手が

「ド」から「ラ」に少し離れる

なんども練習して全く問題なかったが

本番は、そこで指が動かなかった。

2度失敗したところで、頭が真っ白

になって、震えた。

なんとか弾いたが声がうわずっている

2曲目の『やぎさんゆうびん』も

ほとんど、弾いたか覚えていないくらい

動揺していた。

最期立ち上がるときには、なぜか

「申し訳ありませんでした」という

言葉がでていた。

そして、落ちた事を確信した。

 

かなり落ち込んで帰ろうかとも

考えたが、もう一つの受験科目

言語の素読が一時間後にある。

ふらふらになりながら、

なんとか、途中で買ったあんパン

をかじって冷静さを取り戻す。

あんパンに餡の味がわからない

試験開始時間15分前に

試験教室前にいった。

そこでは、近くの教室で試験が

行われていて、その声が聞こえる

みんな上手に話をする。

役者のように、情感たっぷりと

そして、声を変えている

それに感心しながら自分の番を

待つ。

『大きなかぶ』と『3匹のこぶた』

が多いようだ。

私は、『ももたろう』

展開が多すぎて難しいらしい

しかし、これが一番

よく知っている物語だ。

 

自分の番がきた

もう落ちたからと開き直り

試験に臨む。

同じように挨拶して、試験管に

自分の名前のシールを渡す。

今度は、試験管の顔が良く見えた

ちょっと気難しそうな女性2人

さっきは全くそんな余裕は無かった。

話をしながら、注意点である

園児に話しかけるように,ゆっくりと

そして、笑顔で、オーバーならない

アクションを加えることができた。

練習では、ぎりぎり3分だったが、

やはり、本番で緊張していたのか

15秒前で終わってしまった。

時間が余ったらニコニコしていろ

受験のアドバイス動画があったので

その通り、引きつりながらも笑顔

の時間を過ごした。

まあまあのできだと思った。

これがだめなら、それぞれのキャラの

声を変えなかった事かなんて思った。

 

音楽のショックを引きずりながら

長い駅までの道が永遠に続くような

気分になりながら歩いた。

昼の美味しいラーメンなど

まったく頭に浮かばす帰宅した。

 

私は、国家試験や資格試験は多く

経験している。

しかし、実技となると自動車教習所

くらいか。

人前でピアノを弾いたこと自体

初めてであった。

無謀といえば、無謀である。

家に帰り、ワイフに報告すると

「音楽は小さい頃から習っているプロ

みたいな人たちだからしょうがないよ」

と言われ、少し救われた気持ちがした。