家の近くに小さな工場地帯がある。
その中に大手電機メーカーの
石油ストーブの下請けの工場があった。
従業員は、100名程度
夏休みの1ヶ月くらいのバイトだった。
石油ストーブの燃える芯の周りや、
本体の金型部分の接合などをしていた。
今から考えると、ちょっと危険な
仕事内容もあった。
金属のプレスする機械で、
材料を置いて電気的に
ハンダプレスのような事をした。
プレスだから間違えると
手をつぶす事もある。
もちろん両手でボタンを押して
初めて機械は動くのだが、
片手でボタンを押した瞬間に
材料を入れてもう片方の手で、
ボタンを押すと早くできるのだ。
だから時々事故が起きるらしい。
そして、その瞬間に火花も散る。
何カ所か腕にやけどをした。
昼休みの他、10時と3時に休憩がある。
そんなときに、その工員さんと話をした。
給料は安いし上がらない。
でも他の仕事といっても
急に探せる訳ないと言う事だった。
なんだか男はつらいよの
現実の工場を見ているようだった。