7月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:2471
ナイス数:85
今月の1冊は、恩讐の鎮魂歌に決定
ひゃっか! (ハルキ文庫 い 24-10)の感想
今村翔吾の青春小説。彼の作品としては、生け花と高校生というおもしろい企画だが、平凡でありきたりのストーリー。生け花対決シーンはストーリーテラーだけあって楽しませる。だけど後に残らないので少し残念
読了日:07月27日 著者:今村 翔吾
恩讐の鎮魂曲 (講談社文庫 な 91-3)の感想
前作で自分の素性を明かしてしまった御子柴弁護士。もうこれで終わりではないかと思わせた。しかし、第3作もすごかった。いきなり海難事故から始まる展開。そして、今度の弁護は、恩師の殺人事件だ。しかも本人が罪を認めている。珍しく御子柴が感情的になる場面がある。例の通り弁護のためならあらゆる手段をとる。正しく読者に手がかりを提示するミステリーの正しい手法。そして、逆転に次ぐ逆転。見事な作品である。
読了日:07月23日 著者:中山 七里
雲の果 (光文社文庫 あ 46-11 光文社時代小説文庫)の感想
今回は、いつも以上に謎解きのストーリー展開、信次郎と伊佐治、清之助の掛け合いのリズムが楽しい。全く手がかりの無いところから驚きの終盤まで、鮮やかに繋ぐ手法。伊佐治のようにその先が聞きたくて信次郎に迫るように一気に読んでしまった。
読了日:07月20日 著者:あさのあつこ
追憶の夜想曲 (講談社文庫 な 91-2)の感想
シリーズ第2作。悪名高い弁護士の御子柴の驚きの過去から始まる。自ら依頼を受け、完全に不利な状況から状況をひっくり返す。その手法は、有名探偵がわずかな証拠から導き出す本格推理の様相を呈する。暴かれる事件内容が御子柴と絡み合って驚異の展開。そして、ラスト完全にやられた。御子柴は、悪魔なのか天使なのか。残酷な真実も未来もある
読了日:07月11日 著者:中山 七里
未明の砦の感想
重いけど心に響く作品。こんな残酷な物語は決して誇張じゃない。家から少し先の工場群は文字通りあの大手の車製造工場群がある。体調不良で休みの電話をした工員の話を長引かせ、そのうちに車で迎えに行き仕事につかせたなんて話をきいたこともある。確かに親戚や周りの人も会社の関係者だ。そして、派遣という労働形態がそれを助長されているのだ。最近でも車業界が下請けに経費や在庫を持たせているという実態が報道された。現代の暗部を描き、なおわずかな希望も見えたストーリー。堪能させていただきました。
読了日:07月09日 著者:太田 愛
立つ鳥の舞 くらまし屋稼業 (時代小説文庫)の感想
遂に赤也の過去が暴かれた。最初は、背景となる芝居の複雑な関係の説明だったから、少しつまらなかったが、やがて事件が動き出す。そして、単なる芝居合戦が、幕府の権力争いまで関係してくるとなると俄然おもしろくなってくる。窮地に立たされたくらまし屋。それぞれのキャラクターの活躍が やっぱりおもしろい。題名の立つ鳥の舞もいいね
読了日:07月07日 著者:今村翔吾