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読書 6月読んだ本 

今月のベストは『俺たちの箱根駅伝』でした

6月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:2940
ナイス数:219

花唄の頃へ くらまし屋稼業 (ハルキ文庫 い 24-6 時代小説文庫)花唄の頃へ くらまし屋稼業 (ハルキ文庫 い 24-6 時代小説文庫)感想
裕福な旗本の部屋住みどもの悪行。庶民の嘆き、裏の物たちの教示。そんなものを織り交ぜてまたおもしろい物語になった。中でも炙り屋の迅十郎がかっこよすぎるぜ。世の中の不条理と生きることの意味を考えさせながらチャンバラ活劇もしっかりと展開する。次回作も気になるね
読了日:06月29日 著者:今村翔吾
冬晴れの花嫁 くらまし屋稼業 (ハルキ文庫 い 24-5 時代小説文庫)冬晴れの花嫁 くらまし屋稼業 (ハルキ文庫 い 24-5 時代小説文庫)感想
今回は、なんと老中をくらますという前代未聞の話。そのための仕掛けもまたすごい。江戸城内に進入したり、偽の参勤交代をくんだりで、派手である。そのかわり立ち回りは少なかったが、最後の人情話は、良かった。人生の終わりにあのとき別の道を行けば別の人生があったと思える。後悔の念なのか、幸せの裏返しなのか。やさしい余韻が残る作品である。
読了日:06月29日 著者:今村翔吾
成瀬は天下を取りにいく成瀬は天下を取りにいく感想
書店に大々的に積んである。そしてみんなが絶賛しているようだ。ちょっと斜めに構えて読んだ。最初のうちは何だか盛り上がらなかったが、だんだん成瀬に引き込まれていく。少女たちの気持ちの動きや感じ方が今の人たちを瑞々しく描いている。これからが楽しみな作家が出てきた。
読了日:06月26日 著者:宮島 未奈
心淋し川 (集英社文庫)心淋し川 (集英社文庫)感想
江戸の下町の長屋で繰り広げられる短編集。それぞれの人生がそこにある。抗えない運命と人の業が織りなすストーリー。良くも悪くも人は生きなければならない、そして、日常の中に小さな希望を見つけることが幸せなのかもしれない。全く関係ないが、なぜか大昔に読んだ。菊池寛の『恩讐の彼方に』を思い出してしまった。
読了日:06月20日 著者:西條 奈加
秋暮の五人 くらまし屋稼業 (ハルキ文庫 い 24-4 時代小説文庫)秋暮の五人 くらまし屋稼業 (ハルキ文庫 い 24-4 時代小説文庫)感想
なんとなんと今度は、謎の指令をもとに不可解な殺し屋たちが平九郎を襲う。まあ多彩な手だてを使って私たちを楽しませてくれる。登場人物たちの心の動きやくらまし屋あぶり屋のプロの教示がかっこいいね。最後に初音が出てきて今後の展開がますます楽しみになってきた。
読了日:06月19日 著者:今村翔吾
夏の戻り船 くらまし屋稼業 (ハルキ文庫 い 24-3 時代小説文庫)夏の戻り船 くらまし屋稼業 (ハルキ文庫 い 24-3 時代小説文庫)感想
どんどん話が発展していく。採薬使の困難なくらましの依頼にまた新たな敵が現れた。頭脳明晰な道中奉行に「虚」と名乗る悪の集団。お庭番という忍者たち。それぞれの思惑が絡み合う。高尾山山中での死闘。平九郎が剣の流儀を唱えながら戦うかっこよさ。そして、人情噺も盛り込んで、時代活劇のおもしろさの百貨店だ。もう止まらない。
読了日:06月15日 著者:今村翔吾
俺たちの箱根駅伝 下俺たちの箱根駅伝 下感想
いよいよ競技がスタートする。各選手のエピソードをふまえて、ドラマが盛り上がる。一方中継もまさに映像の裏側を見ているような迫力がある。確かに競技中のコマーシャルを入れるタイミングは難しいだろう。自分の母校が出てくるのもうれしい。コースの具体的な名前や情景が詳しく説明され、選手の内面もとらえてその場で自分が走っているような感覚になる。学生の頃学校対抗の駅伝に参加したことがあり、どきどきしながら読んだ。この作品を越える箱根駅伝の小説は当分でないと思う。
読了日:06月13日 著者:池井戸 潤
俺たちの箱根駅伝 上俺たちの箱根駅伝 上感想
スポーツものが大好きで、特に小説にしやすいものは野球、駅伝かもしれない。箱根駅伝を扱ったものは何冊か読んだが、さすが、池井戸潤。競技者側とテレビ番組側の両面から挑んだ意欲作。毎年箱根駅伝を楽しみにしているので、わくわくしながら読んだ。上巻は、競技スタートするまでのドラマ。学年選抜の寄せ集めチーム、思惑の違いからバラバラ状況からチームとして一体となるまで、テレビ側は、バラエティとスポーツ中継の対立などを織り交ぜて盛り上げる。下巻の期待が膨らむ。
読了日:06月13日 著者:池井戸 潤
考古学者が発掘調査をしていたら、怖い目にあった話 (一般書)考古学者が発掘調査をしていたら、怖い目にあった話 (一般書)感想
考古学にも興味あり、発掘の現実がよくわかった。特に怖い話だけでなく、トイレの話などやはり経験談は面白い。エジプトやペルーに行ったことがあるから、なおさら情景が浮かび喧噪や匂いなども思い出された。学問探究の大変さを思い知らされた。
読了日:06月11日 著者:大城 道則,芝田 幸一郎,角道 亮介
それでも会社は辞めません (双葉文庫 わ 10-02)それでも会社は辞めません (双葉文庫 わ 10-02)感想
不器用な主人公が、使えない課AI事業部に回され、セクハラ、パワハラに耐えてやがて、逆転会社に役立つという話。私の目線はどうしても、管理職側となってしまう。昔は、このような人を何とか蘇らせようと努力したが、結局職場に合わないとすれば、早期退職したほうがお互いの為と思ってしまう。なにしらの障害がなければ、転職が容易な時代になった。展開としては面白いのかもしれないが、ちょっとご都合主義的な終わり方で、あんまり感動しなかった。
読了日:06月05日 著者:和田 裕美