多趣味の扉

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読書 11月の読んだ本 

今月の1冊は 『嘘』重苦しい小説ではあるが

        ラストが秀逸

11月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:2923
ナイス数:48

ごんげん長屋つれづれ帖【一】かみなりお勝 (双葉文庫)ごんげん長屋つれづれ帖【一】かみなりお勝 (双葉文庫)感想
笑いと人情の江戸のホームドラマと名を売っての解説につられて読んだが、シリーズの1作目のためか人となりの紹介風になってしまった。それぞれ短い話が連なっているが、どれもぴりっとしない。それで終わりなのという話ばかり。もっと泣けるようなほのぼのするような物語を期待していたのだが、山本一力の人情噺ほど深くない。もっとおもしろくなるのか期待するうちに終わってしまった感。残念
読了日:11月30日 著者:金子 成人
合理的にあり得ない 上水流涼子の解明 (講談社文庫 ゆ 9-1)合理的にあり得ない 上水流涼子の解明 (講談社文庫 ゆ 9-1)感想
書店員の感想が良かったので、読んだが、正直期待はずれ、上水流涼子の元弁護士と貴山のコンビが法律を駆使してグレーゾーンの依頼を解決する物語だが、詐欺師をやりこめるシーンなどは、なぜ詐欺師は反論しないのか。賭将棋もブロックサインで行ったなんてあほらしい。そんなバレバレな方法使うか。そして野球賭博の件も無駄な野球中継が多すぎる。話の中で無駄な部分が多すぎる。そして、なによりも賭将棋と野球賭博は助手の貴山の活躍話で涼子は横で威張っているだけ。とかく企画や構成が雑でつまらない。どこがいいのか合理的にあり得ない
読了日:11月29日 著者:柚月 裕子
マネーロンダリング入門: 国際金融詐欺からテロ資金まで (幻冬舎新書 た 1-1)マネーロンダリング入門: 国際金融詐欺からテロ資金まで (幻冬舎新書 た 1-1)感想
著者の金融知識にはいつも関心させられる。どこまで知っているのか。きっと資産も相当あるのだろう。さてマネロンの実際起こった話を追っていく。どれも信じられないような話だ。そのなかでもバチカンがマネロンの中心になっていたという事実やそれにまつわる事件をみるとおぞましくなってくる。国際金融の闇は深い。もっとも今は仮想通過でブラックマネーが動いているだろう。ビットコインも米国政府が国の資産として準備するようなことが言われ高騰している。国や通貨の概念が大きく変わろうとしている時だと実感した。
読了日:11月28日 著者:橘 玲
永遠の旅行者 下 (幻冬舎文庫 た 20-3)永遠の旅行者 下 (幻冬舎文庫 た 20-3)感想
いよいよ下巻に突入。話の中に引き込まれていく。なぜそこまでして国に税金を納めたくないのかが、過去の歴史のなかにあったとは、租税回避の話は専門的だが魅力的だ。そして後半になって、少しづつ謎が解かれていく。その間にハードボイルド的な展開もあり、国家のあり方、人の幸せとは何かという深い所まで考えさせられる。最後の盛り上がりと終わりを迎える。読んで良かったと思える本であった。
読了日:11月16日 著者:橘 玲
永遠の旅行者 上 (幻冬舎文庫 た 20-2)永遠の旅行者 上 (幻冬舎文庫 た 20-2)感想
著者の得意とするクールな主人公は、相変わらずだがPTと言う概念や租税回避のスキームなどは、本当に感心させられる。今までは、あまりストーリーが重要ではなかったが、今回はどんな展開になるのだろうとワクワクしながら読んだ。ハワイや香港、ニューヨークと場所を移し色々な人間関係が絡まってどんどん話進むうちに謎が深まる。下巻が楽しみだ
読了日:11月13日 著者:橘 玲
白夜街道 (文春文庫 こ 32-2)白夜街道 (文春文庫 こ 32-2)感想
公安外事課の倉島シリーズ2。前作では、やる気のなかった倉島が目覚め、今回は急に成長した姿を見せた。ロシアの広大な大地を巡るが、登場人物は意外に狭い。スパイ物などはもっと人が入り乱れる構成が多いが、至ってシンプル。逆に町並みや通りの名前やホテルの様子などは異様に詳しい。初めての銃撃戦にびびらないどころか、銃を放ったり、追跡する倉島は、とても前作と同一人物と思えない。ビクトルとエレーナの関係もスマートでいい。読んでいて楽しいシリーズである。
読了日:11月13日 著者:今野 敏
湯治場のぶたぶた (光文社文庫 や 24-31)湯治場のぶたぶた (光文社文庫 や 24-31)感想
書評の評判が良かったので、読んでみた。ぬいぐるみのブタが主人公。いい話なのだが、どうしてもぬいぐるみようなブタが、人間と同じに話したり、料理を作ったりしている姿が違和感。ファンタジーと割り切ればいいのかもしれないが、きっとおもしろく展開していくのだろうと思いながら読んだが、結局そのままでした。ちょっと時間を無駄にした感あり。好評でシリーズ化しているみたいだが、どんな人にうけるのだろう。今年一番の後悔本となった。
読了日:11月08日 著者:矢崎存美
セイレーンの懺悔 (小学館文庫 な 33-1)セイレーンの懺悔 (小学館文庫 な 33-1)感想
報道とは何か、法の裁けない罪などの題材に、真実を追求する物語。ただし、著者のいつものどんでん返しやストーリーのキレがない。報道に対する憤りに力が入りすぎているのかもしれない。最後もちょっと納得いかない終わり方であった。
読了日:11月05日 著者:中山 七里
【映画原作】嘘 (PHP文芸文庫)【映画原作】嘘 (PHP文芸文庫)感想
読んでいて苦しくなる展開。互いに暗い過去をもつ縁のない親と子が不思議な運命で出会う。物語は不安定な幸せの中で進む。そしてついに決定的な事件が起きる。刑期を終えて最後には幸せをつかむ。最終章はいらないのではと思った最後の『嘘』で痺れた
読了日:11月01日 著者:北國 浩二